近代文学を代表する川端康成もまた、尾﨑士郎に誘われて馬込に移り住んだ作家のひとりでした。無口で人付き合いの苦手な人柄でしたが、夫人が突然断髪したり、あらぬ恋愛の噂話をたてられたりと馬込の騒動に巻き込まれます。同時期に馬込に居住し、抒情的な作風で人気を博した詩人、三好達治と共にとりあげます。
「片腕を一晩お貸ししてもいいわ。」若い女性の右腕と、それを預かった中年男の奇妙な一夜の交流を描いた作品。川端康成が書いた妖しく淫らな言葉と、俳優の声と体が絡み合って、スクリーンの中で狂おしく踊ります。
築100年の古民家を舞台に、馬頭琴、太棹三味線、尺八による楽曲と、謡、喉歌、ラップという全く異なる歌唱法を組みあわせた歌曲をベースに、きたまりが三好達治の詩の世界を表現します。
[ライブ収録!]抒情詩の代表的な語り手 三好達治が描いた情緒溢れる心象風景。そして日本を代表するノーベル文学賞作家 川端康成が表現する倒錯的な世界観。同時期に馬込に居住した作家二人の作風を、シニカルに、時に愛情深く語ります。
出演・脚本 | 清水 宏 |
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構成・演出 | 安田雅弘 |
照明プラン | 関口裕二(balance,inc.DESIGN) |
照明オペレーター | 佐野淳子 |
衣裳 | 綾 |
舞台監督 | 本 弘 |
撮影 | 菊竹 規 |
音声 | 遠藤 悟 |
映像ディレクター・編集 | 西原裕貴 |
撮影会場 | 大田文化の森 ホール |
大阪府生。19歳の時初めて伊豆へ旅行して以来十年間湯ヶ島を行き来し、旅先で「伊豆の踊子」などの執筆活動を行なった。その後、「雪国」「千羽鶴」「山の音」などを発表。文化勲章・ノーベル文学賞を受ける。
昭和3年(1928)/29歳のころ~昭和4年(1929)/30歳のころ
大阪府生。東大卒業後しばらくの間は翻訳に力を入れていたが、昭和5年の詩集『測量船』で抒情詩人として名を知られるようになる。また、詩論集や随筆集でも功績を残した。主な作品に詩集『春の岬』、詩論集『萩原朔太郎』などがある。
昭和2年(1927)/27歳のころ~昭和4年(1929)/29歳のころ
映像ディレクター | 米本直樹 |
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統括 | 小笠原くみこ |
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アシスタント | 福冨はつみ、河合達也、鹿沼玲奈、渡辺可奈子 |
イラスト | 光嶋フーパイ |
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リーフレットデザイン | 明里笑店LLC. |